トンネルを抜けると
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つらつらとトンネルのお話。

暗くて長くてうるさくて、車が主役のようにふるまう
煤だらけのトンネルは遠慮したいですが、
明るい出口がすぐ先にひらけているような、
静かで小さく短いトンネルは大好きです。

たとえば、レンガ造りの歩行者専用トンネル。
今のものさしだと、小さくつつましく時代遅れだけれど、
まるでおじいちゃんのように年輪を刻んだ、
人を見守る、確かな存在感があるもの。

でも、最近はすっかり減りました。
鎌倉に幾つかあったレンガ造りのトンネルも、
無表情なコンクリートのトンネルに
取って代わられつつあります。
街を見守ってきた老人が消え、替わりに
のっぺらぼうが現われたような違和感と、
なにより、大きな木が切り倒されるときのような
淋しさを覚えています。

それでも、横須賀あたり、谷戸の多い街では、
歩行者あるいは軽自動車がやっとという
生活のための古いトンネルが、
山に溶け込むように、まだ残っています。

そういう静けさに満ちたトンネル内を
自分ひとりで独占する…。
もちろん、そんな贅沢も楽しいものですが、
向かい側から子供たちが走ってきて、
そんな贅沢を賑やかに破って過ぎ去る、
というのもまた、生活の道らしくて楽しいもの。

というように、これからの季節、暑くなってくると、
暗くてひんやり、汗が引くまでひと休み、なんて
楽しみがあるトンネルや洞窟が、やけに気になり出します。
夏に涼しくて、冬には暖かい。という話を知ってから、
洞窟に住んでみたいと思うこともしばしば。
巣ごもり、あるいは穴ごもりしているような、
喉に嬉しい湿り気と、ほの暗さが心地良さそうで。

でも、一番好きなのは、緑のトンネル。
目に優しい緑の中を、木漏れ日の万華鏡を楽しみながら
気化熱の作用で涼しく明るい木陰を歩く…。
こうして文字に打つだけで、快適そのものの光景です。
いつか住む場所は、緑の木立を抜けていく場所に。
そんな夢想をする前に、現実的な、
夏山歩きの計画を練るべき。かも。いやいや。

写真のブックサロン「サウダージブックス」は、
海と山が迫る葉山の、短い緑のトンネルを抜けた先にありました。
溢れる濃密な緑を味わいに、また足を運びたい場所でした。
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by ushio_mizta | 2009-05-19 10:04 | 日々の泡
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